破産・再生について、よくある誤解を感じる点

自己破産や個人再生の相談では、
制度そのものよりも、誤解や不安が先に立っていると感じることが少なくありません。

以下は、相談の中でよく出てくる誤解や不安と、
実務上どのように整理して説明しているかについての備忘です。


目次

破産や個人再生をすると、そのことが戸籍に載るのではないか

破産や個人再生をしたことが戸籍を取得した際にわかりませんか?

という質問は、今でもよく聞きます。

この点については、
戸籍に載ることはありません。

破産や個人再生は、
戸籍や住民票に記載される制度ではありません。


破産や個人再生をすると、選挙権に影響が出るのではないか

選挙に行けなくなるのではないか

という不安を持たれることもありますが、
選挙権に影響はありません。

破産や個人再生をしたことによって、
選挙権・被選挙権が制限されることはありません。


破産をすると、職場や周囲に知られてしまうのではないか

破産をしたことが職場に知られてしまうのではないか
周囲に噂が広がるのではないか

という点も、非常によく聞かれます。

この点については、
自分から話さなければ、基本的に知られることはありません。

職場に借入れがある場合など、
例外的に影響が出るケースはありますが、
職場に通知が行くことは基本的にありません。


破産すると、何もかも財産を持っていかれるのではないか

破産という言葉から、

  • 家にあるものはすべて処分される
  • 生活が成り立たなくなる

というイメージを持たれる方もいます。

しかし実務上は、

  • 生活に必要な通常の家財道具
  • 一般的な電化製品

などまで処分されることは、基本的にありません。

また、
一定の財産を手元に残すことも認められています。


破産をすると一生ブラックリストに載るのではないか

破産をすると、ブラックリストに載って、二度とカードやローンを組めなくなりますか?

という不安も非常に多く聞きます。

いわゆる「ブラックリスト」とは、
信用情報機関が管理する信用情報を指していることがほとんどです。

破産をした事実は、
一定の期間が経過すると信用情報から削除されます。

破産して一定期間が経過すれば、

  • クレジットカードが作れるようになる可能性
  • ローンを組めるようになる可能性

が出てくることもあります。

「一生載り続ける」ということはありません。


破産をすると、銀行口座やスマホが使えなくなるのではないか

もう銀行口座は作れないのではないか
スマホも持てなくなるのではないか

という不安もよく聞きます。

この点については、

  • 銀行口座は作れます
  • スマホも基本的には使えます

というのが原則です。

もっとも、

  • 借入れのある銀行については、代位弁済が終了するまで、一時的にその口座が使えなくなる可能性
  • スマホ代金を分割払いしている場合には注意が必要

といった点は、個別に確認しています。


家族の財産まで取り上げられるのではないか

配偶者や子どもの預金まで影響するのではないか

という不安もあります。

この点については、
基本的に影響が出るのは本人名義の財産のみです。

「家族だから」という理由だけで、

  • 配偶者名義の預金
  • 子ども名義の資産

が取り上げられることはありません。


家族に知られずに自己破産や個人再生ができるのか

家族に内緒で手続ができますか

という質問も、近年よく見かけます。

自己破産の場合

結果として、
家族に知られずに自己破産が終了したケースを経験したことはあります。

ただし、
それが常に望ましいとは考えていません。

過去に、
家族に知られずに自己破産を行い、
その後、依頼者が亡くなり、
ひょんなことから自己破産の事実が家族に伝わったケースがありました。

ご家族は
「なぜ言ってくれなかったのか」と、
とても悲しんでおられました。

この経験から、
家族に内緒にすることが最善とは限らない
と感じています。


個人再生の場合

個人再生については、
家族に内緒で進めることは、原則として難しいと考えています。

家計状況や収入資料の提出が必要となることが多く、
実務上、家族の理解や協力が前提になる場面が少なくないからです。


裁判所に行くのが怖い/裁判官から厳しく叱責されるのではないか

裁判所に呼び出されて、
裁判官から厳しく責められるのではないか

という不安も、相談の中でしばしば聞きます。

破産や個人再生という言葉から、
「裁判=責任追及の場」というイメージを
持たれていることが原因のように感じます。

実務上、裁判所で行われる手続は、
基本的には事実関係や生活状況を確認するためのものであり、
人格を評価する場ではありません。

申立内容に不明確な点があれば説明を求められることはありますが、
感情的に叱責されるような場面は、
少なくとも私の経験では多くありません。


正直に話すと不利になるのではないかという不安

すべて正直に話すと、
免責されなくなるのではないか

という不安を持たれる方もいます。

この点については、
後から事実が判明する方が、かえって問題になる
と説明することが多いです。

初期段階で事実関係を整理し、
どこが問題になり得るのかを一緒に確認し対応することが、
結果的に最も最良だと考えています。


破産をすると、会社を辞めなければならないのではないか

破産をすると、仕事を続けられなくなるのではないか

という不安もあります。

法的には、
自己破産をしたこと自体が、解雇理由になることはありません。

もっとも、資格制限との関係等、個別に確認が必要な場合があります。


小括(備忘)

破産や個人再生については、

  • 制度の実際
  • 世間で広まっているイメージ

との間に、大きな差があると感じています。

誤解や不安を一つずつ整理したうえで、
どの手続が適切かを考えることが大切だと考えています。

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