自己破産や個人再生を考え始めたとき、
具体的な手続きの内容よりも、先に浮かぶのは
「その間、普通に生活できるのか」という不安かもしれません。
ネットで破産や再生を調べてみても、
・制限
・禁止事項
・注意点
といった情報が目につきやすいものの、
実際の生活がどうなるのかは、あまりイメージしにくいのではないかと思います。
この記事では、
私がよく質問を受ける破産や再生手続き中の「生活に関する不安」を整理してみます。
一番多いのは、「生活が止まってしまうのではないか」という不安
相談前によく聞くのは、
- お金を自由に使えなくなるのではないか
- 毎日の買い物にも制限がかかるのではないか
- 生活を細かく管理されるのではないか
といった不安です。
「破産」や「再生」という言葉から、
日常生活そのものが大きく変わってしまうイメージを持つ方も少なくありません。
ただ、実務上の感覚としては、
多くの方が想像しているほど、生活が一変することはありません。
手続中も、基本的にはいつも通りの生活が続きます
自己破産でも個人再生でも、
- 食事をする
- 日用品を買う
- 家族と過ごす
- 通院する
こうした日常は、基本的にこれまでどおり続きます。
「手続に入ったら、特別な生活になる」
というわけではなく、「手続き中は、普通に生活をする」
という感覚に近いです。
お金の使い方についての不安
生活面で一番気にされるのは、やはりお金のことです。
- どこまで使っていいのか
- 使ってはいけないお金があるのか
- 生活費はどう考えられるのか
この点は、
破産か再生か、個別の事情によって異なる部分もあります。
ただ、共通して言えるのは、
生活に必要な支出まで我慢する必要はない
ということです。
よく
「使っていいか分からず、必要な支出まで控えていた」
という話を聞くこともありますが、
それは本来の趣旨ではありません。
また、ひどい話だと、体調が悪かったけれども病院に行くのを我慢していたとか、
(必要な)保険を解約したというものがありました。
ご自身の体調、健康は何よりも優先するべきだと思います。
きっぱり断ち切る必要があるもの
債務形成原因についてはきっぱりと断ち切る必要があります。
例えばギャンブルが原因で債務を作ってしまったということであれば、
一切ギャンブルをやめる必要があるでしょうし、
浪費が原因ということであれば、浪費をやめる必要はあるでしょう。
この浪費で最近多いのは、ゲーム課金や推し活で債務を形成してしまった場合です。
例えば今まで借金をしながら月100万円以上推し活につぎ込んでいたとして、
手続き中、お小遣いの範囲(例えば1万円)だけで推し活を続けていいかと聞かれることがあります。
このような場合、少なくとも私は、手続き中は一切推し活をやめてもらっています。
弁護士が説教するようなことではないのですが、やはり手続きの裏で泣いている債権者がいらっしゃいますし、
依頼者には自らを省みてもらい、一度きっぱりと債務形成原因を断ち切って、
心機一転再スタートを切ってほしいと思うからです。
裁判所も基本的には同じスタンスだと思っています。
実際に多いのは、「思っていたより普通だった」という感想
手続がある程度進んだ段階で、
多くの方が口にするのは、
- 思っていたより、生活は変わらなかった
- もっと厳しいものだと思っていた
- 日常が続いていることに、少し安心した
といった言葉です。
もちろん、
不安が完全になくなるわけではありませんが、
「生活そのものが激変する、壊れる」ということは、実際には当てはまらないと思います。
さきほどの推し活の方の例でも、
「推し活にお金を使わなくなると、もう今更お金を使う気がなくなった」
といって、現在はその推し活に支出することがなくなったそうです。
最後に
破産や再生の手続中の生活については、
なかなか伝わりにくい部分が多くあります。
不安を感じるのは自然なことですし、
それだけ真剣に考えている証拠でもあります。
生活がどうなるのかを知ることは、
決断を急ぐこととは別の話です。
この記事が、
手続中の生活を少し現実的にイメージする材料になれば、幸いです。
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